皆さんは過去のレース結果や馬柱を見て、「何となく、この条件の馬の成績が良く見える」なんて経験をしたことはありまあせんか?
それは本当に好成績なのか、単に出頭頭数が多くて好成績に見えるだけなのか、他になにか理由があるのか知りたいけど調べる時間がない、そんな方もおられるのではないでしょうか。
そこで、過去5年の結果や馬柱を条件ごとに細かく分けてデータを集めて考察してみました。
今回は2021年6月6日に東京競馬場で開催予定、GⅠ安田記念の過去5年の走破時計・脚質・トレセン所属別・馬体重・性別などのデータをもとに傾向を紐解いていきます。
今回特に注目したのは
- トレセン所属から見る傾向(美穂所属馬に注目)
- 生産者から見る傾向(ノーザンファーム生産馬に注目)
- 性別から見る傾向(近3年の牝馬に注目)
- 馬年齢から見る傾向(近3年の4・5歳馬に注目)
以上です。
それ以外に、今回は特に近3年に絞った傾向にご注目下さい。
データを見たり他の条件のデータと見比べたりして、一緒に楽しんで頂けると嬉しいです。
それでは、お付き合いよろしくお願いします。
基本情報
1.過去5年のレース条件とレース環境
西暦 | 会場 | 年齢 | グレード | 斤量 | 距離 | 頭数 | 馬場 |
2020年 | 東京 | 3歳上 | 1 | 定量 | 芝1600m | 14 | 稍 |
2019年 | 東京 | 3歳上 | 1 | 定量 | 芝1600m | 16 | 良 |
2018年 | 東京 | 3歳上 | 1 | 定量 | 芝1600m | 16 | 良 |
2017年 | 東京 | 3歳上 | 1 | 定量 | 芝1600m | 18 | 良 |
2016年 | 東京 | 3歳上 | 1 | 定量 | 芝1600m | 12 | 良 |
過去5年のレース条件の変更と取消・除外馬はありません。
2.過去5年の1~3着馬
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 |
2020年 | グランアレグリア | アーモンドアイ | インディチャンプ |
2019年 | インディチャンプ | アエロリット | アーモンドアイ |
2018年 | モズアスコット | アエロリット | スワーヴリチャード |
2017年 | サトノアラジン | ロゴタイプ | レッドファルクス |
2016年 | ロゴタイプ | モーリス | フィエロ |
馬券圏内リピート馬は4頭います。
確定人気と確定オッズから見る傾向
1.確定人気
下の表は、過去5年の1~3着馬の人気順をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 | 頭数 |
2020年 | 3 | 1 | 2 | 14頭 |
2019年 | 4 | 3 | 1 | 16頭 |
2018年 | 9 | 5 | 1 | 16頭 |
2017年 | 7 | 8 | 3 | 18頭 |
2016年 | 8 | 1 | 6 | 12頭 |
1番人気の勝率は悪いが、複勝率は高いです。
単系馬券は荒れ気味の傾向が見て取れます。
2.確定オッズ
下の表は、過去5年の1~3着馬の確定オッズをまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 |
2020年 | 12.0 | 1.3 | 7.0 |
2019年 | 19.2 | 12.5 | 1.7 |
2018年 | 15.7 | 10.7 | 2.8 |
2017年 | 12.4 | 14.6 | 7.9 |
2016年 | 36.9 | 1.7 | 29.5 |
単勝倍率はすべて10倍以上で、確定人気でも述べましたが単系馬券は荒れる傾向がこちらのデータでも確認できます。
走破時計と上り推定時計から見る傾向
1.走破時計
下の表は、過去5年の1~3着馬の走破時計をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 |
2020年 | 01:31.6 | 01:32.0 | 01:32.1 |
2019年 | 01:30.9 | 01:30.9 | 01:30.9 |
2018年 | 01:31.3 | 01:31.3 | 01:31.4 |
2017年 | 01:31.5 | 01:31.5 | 01:31.6 |
2016年 | 01:33.0 | 01:33.2 | 01:33.2 |
僅差のレースが多い事が見受けられ混戦になることがわかります。
2.上り推定時計
下の表は、過去5年の1~3着馬の上り推定時計と順位をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 順位 | 2着 | 順位 | 3着 | 順位 |
2020年 | 33.7 | 1 | 33.9 | 3 | 34.1 | 4 |
2019年 | 32.9 | 4 | 33.9 | 10 | 32.4 | 1 |
2018年 | 33.3 | 1 | 34.0 | 4 | 33.9 | 3 |
2017年 | 33.5 | 1 | 34.4 | 7 | 33.7 | 3 |
2016年 | 33.9 | 5 | 34.0 | 6 | 33.5 | 1 |
上り1位の馬はすべて馬券圏内に入賞していることが分ります。
全体的に見ると差しが届く年と、逃げ粘る年があることが推測できます。
脚質(各コーナー通過順位)
下の表は過去5年の1~3着馬の各コーナー通過順位をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 | 頭数 |
2020年 | ⑧ー⑦ | ⑪ー⑪ | ⑨ー⑦ | 14頭 |
2019年 | ④ー⑤ | ①ー① | ⑪ー⑨ | 16頭 |
2018年 | ⑪ー⑫ | ③ー③ | ⑤ー⑤ | 16頭 |
2017年 | ⑭ー⑮ | ①ー① | ⑭ー⑬ | 18頭 |
2016年 | ①ー① | ②ー② | ⑨ー⑨ | 12頭 |
脚質の傾向を読み取ることは難しいですが、逃げ馬が3頭馬券圏内に入賞していることは注目が必要だと考えます。
枠番から見る傾向
下の表は、過去5年間の1~3着馬の枠番をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 |
2020年 | 7 | 4 | 4 |
2019年 | 3 | 1 | 7 |
2018年 | 5 | 2 | 1 |
2017年 | 7 | 8 | 3 |
2016年 | 5 | 6 | 7 |
次に、各所枠番ごとの勝率・連対率・複勝率を算出したものです。
枠番 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 0 | 10 | 13.3 |
2枠 | 0 | 10 | 6.7 |
3枠 | 20 | 10 | 13.3 |
4枠 | 0 | 10 | 13.3 |
5枠 | 40 | 20 | 13.3 |
6枠 | 0 | 10 | 6.7 |
7枠 | 40 | 20 | 26.7 |
8枠 | 0 | 10 | 6.7 |
特に傾向は見受けられません。
トレセン所属から見る傾向
下の表は、過去5年間の1~3着馬の生産者をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 |
2020年 | 美浦 | 美浦 | 栗東 |
2019年 | 栗東 | 美浦 | 美浦 |
2018年 | 栗東 | 美浦 | 栗東 |
2017年 | 栗東 | 美浦 | 美浦 |
2016年 | 美浦 | 美浦 | 栗東 |
次に、上の表を勝率・連対率・複勝率になおしたものです。
所属 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
栗東 | 60 | 30 | 40 |
美浦 | 40 | 70 | 60 |
次に、各所属トレセンごとの勝率・連対率・複勝率を算出したものです。
所属 | 頭数 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
栗東 | 44 | 6.8 | 6.8 | 11.4 |
美浦 | 28 | 7.1 | 25 | 32.1 |
海外 | 4 | 0 | 0 | 0 |
勝率は大差ありませんが、連対率・複勝率を見ると美穂所属馬の成績が良いことが分ります。
生産者から見る傾向
下の表は、過去5年間の1~3着馬の生産者をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 |
2020年 | ノーザンファーム | ノーザンファーム | ノーザンファーム |
2019年 | ノーザンファーム | ノーザンファーム | ノーザンファーム |
2018年 | キャピタル・システム | ノーザンファーム | ノーザンファーム |
2017年 | ノーザンファーム | 社台ファーム | 社台ファーム |
2016年 | 社台ファーム | 戸川牧場 | 社台ファーム |
次に、ノーザンファーム生産者の勝率・連対率・複勝率を算出したものです。
所属 | 頭数 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
ノーザンファーム生産者 | 21 | 14.3 | 28.6 | 42.9 |
勝率・連対率・複勝率すべて優秀で特に近3年の成績が優秀です。(マーカーは同一馬)
馬体重から見る傾向
下の表は、過去5年間の1~3着馬の馬体重をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 |
2020年 | 492 | 488 | 480 |
2019年 | 470 | 516 | 484 |
2018年 | 482 | 502 | 506 |
2017年 | 528 | 494 | 474 |
2016年 | 496 | 514 | 500 |
次に、上の表を20㎏ごとに勝率・連対率・複勝率になおしたものです。
馬体重 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
500kg以上 | 20 | 40 | 40 |
480kg〜 | 60 | 50 | 46.7 |
460kg〜 | 20 | 10 | 13.3 |
460kg未満 | 0 | 0 | 0 |
最後に、各20㎏ごとの馬体重別に勝率・連対率・複勝率を算出したものです。
馬体重 | 頭数 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
500kg以上 | 31 | 3.2 | 12.9 | 19.4 |
480kg〜 | 27 | 11.1 | 18.5 | 25.9 |
460kg〜 | 15 | 6.7 | 6.7 | 13.3 |
460kg未満 | 3 | 0 | 0 | 0 |
大型馬の出走が多いこのレース、馬体重は重い方が好成績です。特に480~500㎏の範囲の馬の成績が良いことが目立ちます。
性別から見る傾向
下の表は、過去5年間の1~3着馬の性別をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 |
2020年 | 牝 | 牝 | 牡 |
2019年 | 牡 | 牝 | 牝 |
2018年 | 牡 | 牝 | 牡 |
2017年 | 牡 | 牡 | 牡 |
2016年 | 牡 | 牡 | 牡 |
次に、上の表を勝率・連対率・複勝率になおしたものです。
性別 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
牡 | 80 | 40 | 33.3 |
牝 | 20 | 60 | 66.7 |
次に各性別ごとの勝率・連対率・複勝率を算出したものです。
性別 | 頭数 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
牡 | 64 | 6.3 | 9.4 | 15.6 |
牝 | 8 | 12.5 | 50 | 62.5 |
セン馬 | 4 | 0 | 0 | 0 |
牡馬の出走頭数が多いです。
出走頭数は少ないが、特に近3年の牝馬の成績が優秀です。ただし馬券圏内リピート馬が多く同じ馬がデータに含まれている事には注意が必要です。(マーカー紫・黄色は同一馬)
馬年齢から見る傾向
下の表は、過去5年間の1~3着馬の馬年齢をまとめたものです。
西暦 | 1着 | 2着 | 3着 |
2020年 | 4 | 5 | 5 |
2019年 | 4 | 5 | 4 |
2018年 | 4 | 4 | 4 |
2017年 | 6 | 7 | 6 |
2016年 | 6 | 5 | 7 |
次に、上の表を勝率・連対率・複勝率になおしたものです。
馬年齢 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
8歳 | 0 | 0 | 0 |
7歳 | 0 | 10 | 13.3 |
6歳 | 40 | 20 | 20 |
5歳 | 0 | 30 | 26.7 |
4歳 | 60 | 40 | 40 |
最後に、各馬年齢ごとに勝率・連対率・複勝率を算出したものです。
馬年齢 | 頭数 | 勝 率 | 連対率 | 複勝率 |
8歳 | 7 | 0 | 0 | 0 |
7歳 | 9 | 0 | 11.1 | 22.2 |
6歳 | 18 | 11.1 | 11.1 | 16.7 |
5歳 | 21 | 0 | 14.3 | 19 |
4歳 | 21 | 14.3 | 19 | 28.7 |
4~6歳馬の出走頭数が多いです。その中で4歳馬の成績が優秀です。
近3年はすべての馬券圏内馬は4・5歳馬で決着してしています。特に4歳馬で馬券圏内に入賞している馬の翌年5歳馬での再入賞がめだちます。(マーカーは同一馬)
近3年強い傾向
近3年のノーザンファーム生産者・性別・馬年齢の成績が気になったので、ピックアップしてまとめて見ていきます。
1.下の表は過去5年のそれぞれの年の性別ごとの出走数をまとめたものです。
西暦 | 牡 | 牝 | セン馬 |
2020年 | 11 | 3 | 0 |
2019年 | 14 | 2 | 0 |
2018年 | 12 | 3 | 1 |
2017年 | 16 | 0 | 2 |
2016年 | 11 | 0 | 1 |
2018年から牝馬の出走が増えていることが分ります。
2.次に下の表は、ノーザンファーム馬の近3年の性別ごとの出走頭数をまとめたものです。
西暦 | ノーザンファーム | 牡 | 牝 |
2020年 | 6 | 3 | 3 |
2019年 | 5 | 3 | 2 |
2018年 | 5 | 3 | 2 |
牝馬の出走は全8頭、そのうちノーザンファーム馬が7頭です。生産者から見る傾向と見比べると近3年の牝馬の馬券圏内馬の5頭はすべてノーザンファーム馬です(ただし同一馬が2頭)
3.下の表は、過去5年のそれぞれの年の年齢別出走頭数をまとめたものです。
西暦 | 8歳 | 7歳 | 6歳 | 5歳 | 4歳 |
2020年 | 1 | 1 | 1 | 7 | 4 |
2019年 | 1 | 1 | 3 | 5 | 6 |
2018年 | 0 | 1 | 6 | 1 | 8 |
2017年 | 4 | 3 | 5 | 4 | 2 |
2016年 | 1 | 3 | 3 | 4 | 1 |
こちらも2018年以降4・5歳馬の出走が目立つようになったことがわかります。
近3年の馬券圏内馬は9頭中8頭がノーザンファーム生産馬(生産者から見る傾向参照)であることをふまえて、馬券圏内馬の全9頭が4・5歳馬であること(馬年齢から見る傾向参照)、馬券圏内馬のすべての牝馬がノーザンファーム生産馬であることを考えると、ノーザンファーム生産馬のレース選択の傾向が変更され、結果を残していることが推察されます。
まとめ
過去5年のレース条件の変更と取消・除外馬はありません。
馬券圏内リピート馬は4頭。
- 確定人気と確定オッズから見る傾向では、1番人気の勝率は悪いが、複勝率は高い。単系馬券は荒れ気味の傾向が見て取れる。単勝倍率はすべて10倍以。
- 走破時計と上り推定時計から見る傾向では、僅差のレースが多い事から混戦になることがわかる。上り1位の馬はすべて馬券圏内に入賞している。
- 脚質(各コーナー通過順位)から見る傾向では、脚質の傾向を読み取ることは難しいが、逃げ馬が3頭馬券圏内に入賞していることは注目が必要。
- 枠番から見る傾向では、特に強い傾向は見受けられない。
- トレセン所属から見る傾向では、勝率は大差ないが、連対率・複勝率を見ると美穂所属馬の成績が良い。
- 生産者から見る傾向では、勝率・連対率・複勝率すべて優秀で特に近3年の成績が優秀。
- 馬体重から見る傾向では、大型馬の出走が多いこのレース、馬体重は重い方が好成績。特に480~500㎏の範囲の馬の成績が良いことが目立つ。
- 性別から見る傾向では、出走頭数は少ないが、特に近3年の牝馬の成績が優秀。ただし馬券圏内リピート馬が多く同じ馬がデータに含まれている事には注意が必要。
- 馬年齢から見る傾向では、4~6歳馬の出走頭数が多いです。その中で4歳馬の成績が優秀。近3年はすべての馬券圏内馬は4・5歳馬で決着してしている。特に4歳馬で馬券圏内に入賞している馬の翌年5歳馬での再入賞が目立つ。
- 近3年強い傾向では、2018年から牝馬の出走が増えている。牝馬の出走は全8頭、そのうちノーザンファーム馬が7頭。生産者から見る傾向と見比べると近3年の牝馬の馬券圏内馬の5頭はすべてノーザンファーム馬。2018年以降4・5歳馬の出走が目立つ。 近3年の馬券圏内馬は9頭中8頭がノーザンファーム生産馬(生産者から見る傾向参照)であることをふまえて、馬券圏内馬の全9頭が4・5歳馬であること(馬年齢から見る傾向参照)、馬券圏内馬のすべての牝馬がノーザンファーム生産馬であることを考えると、ノーザンファーム生産馬のレース選択の傾向が変更され、結果を残していることが推察される。
これらの傾向・注目点・注意点と出走馬の能力等を加味しながら、Twitterで選択馬と買い目を発表しますので、そちらも見てもらえると嬉しいです。
また、ローテーションに特化した傾向をGⅠ安田記念ローテーション傾向(2021年)過去5年データにまとめてますので、そちらもご覧ください。
最後までお付き合い、ありがとうございました。
それでは、良い競馬ライフをお過ごしください。
Good Luck
~未来は誰にもわからないから面白い~
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